立春が過ぎ、梅の木に小さな花がほころび、地面には春の草花が少しずつ顔を出し始めました。今年も美しい季節が巡ってきたことが、とても喜ばしく感じます。
朝の挨拶に、遊び方の変化に、朝の会の様子に、そんなふとした瞬間に、子どもたちの成長を感じることが多くなりました。一人ひとりの子どもたちが、仲間との絆を徐々に構築しようとしている様子を日々目にします。
幼児期の子どもたちは、お友だちの存在に気づき、段階を追って、お友だちと場や遊びを共有し始めます。自己主張が強く出てくる時期になると、お互いの主張がぶつかって喧嘩になることも、涙することも経験します。そうして、互いに協力してより豊かな遊びを展開していけることを経験していきます。こうして、大切な仲間との豊かで多様な体験が、子どもたちのしなやかな社会性を育み、子どもたちの心の核である自己尊重感の育ちへと繋がっていきます。
私たち生き物は、命の循環の中に生かされている存在です。そして、人間は社会的な生き物です。人の間で研がれ合ってこそ、より明るく光ることができます。一つひとつの経験が、私たちに私たちに与えられた乗り越えるべき試練であり、同時に恵みでもあります。このことに感謝して、今月も一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。
2月28日はピンクシャツデーです。カナダで始まったこのいじめ撲滅運動に寄せて、一人ひとりがかけがえのない存在として、誰もが愛され、一人ひとりの尊厳と命が大切にされる世界がきますように、お祈りいたします。