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Time spent at YGK
will be a lifetime treasure

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命のバトン

いよいよ今年度も最後の月となりました。

 音楽の時間には、もうすぐ来る別れの日に向けて、旅立つ子どもたちと見送る子どもたちの思いを乗せた歌声が聞こえてきます。また、今年もキテンクラスとパピークラスの保護者の皆様が、卒園児を送り出す準備を心をこめて進めてくださっています。保護者の皆様が、教員たちが、一人ひとりの子どもたちをまるで我が子のように見守る愛情に満ち溢れた眼差しを、日々、様々な場面で目にします。YGKの子どもたちが愛情と自己肯定感に溢れて育っていく原点が、皆様から受けている無償の愛情にあることを再認識いたします。

 もうすぐ来る別れの時を思うと寂しい気持ちが溢れてきます。でも、それ以上に「今」をまっすぐに生きている子どもたちの溢れんばかりの命のエネルギーに、日一日と逞しくしなやかに育っていく姿に、大きな喜びを感じ、そしてこのような出会いをいただいた恵みに感謝する日々です。

 全ての子どもたちの日々がいつも明るく希望に満ちたものであるように、困難に直面したときには、誰かに助けを求める勇気と、困っている誰かにそっと手を差し伸べる思いやりを備えた人でいられるように、私たちがなすべき責を果たす勇気と覚悟が持てるように祈る日々です。

 分かれ道に来ています。会える機会が減ってしまう友だちや仲間もいます。でも、光り輝く個性とタラント(与えられた才能)を持って生まれてきた子どもたち一人ひとりが、それぞれの素晴らしさを大切に大きく豊かに伸びていく姿を、そして、今、目の前にいる子どもたちが、そして未来に出会う子どもたちが、「生まれて良かった!命って素晴らしい!」と思えるように、深い愛情と心の底からの信頼をもって、これからも見守り、応援し続けたいと願います。私たちも、小さな一歩でも、時に回り道をしても、歩みを止めずに行こうと思います。

 末筆ではございますが、まだまだ未熟な私たちではございますが、いつも信じ、支え、導いてくださった全ての皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。一年間、どうもありがとうございました。

 

YMCA Global Kindergarten

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人の間で育つ

立春が過ぎ、梅の木に小さな花がほころび、地面には春の草花が少しずつ顔を出し始めました。今年も美しい季節が巡ってきたことが、とても喜ばしく感じます。

朝の挨拶に、遊び方の変化に、朝の会の様子に、そんなふとした瞬間に、子どもたちの成長を感じることが多くなりました。一人ひとりの子どもたちが、仲間との絆を徐々に構築しようとしている様子を日々目にします。

幼児期の子どもたちは、お友だちの存在に気づき、段階を追って、お友だちと場や遊びを共有し始めます。自己主張が強く出てくる時期になると、お互いの主張がぶつかって喧嘩になることも、涙することも経験します。そうして、互いに協力してより豊かな遊びを展開していけることを経験していきます。こうして、大切な仲間との豊かで多様な体験が、子どもたちのしなやかな社会性を育み、子どもたちの心の核である自己尊重感の育ちへと繋がっていきます。

私たち生き物は、命の循環の中に生かされている存在です。そして、人間は社会的な生き物です。人の間で研がれ合ってこそ、より明るく光ることができます。一つひとつの経験が、私たちに私たちに与えられた乗り越えるべき試練であり、同時に恵みでもあります。このことに感謝して、今月も一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

2月28日はピンクシャツデーです。カナダで始まったこのいじめ撲滅運動に寄せて、一人ひとりがかけがえのない存在として、誰もが愛され、一人ひとりの尊厳と命が大切にされる世界がきますように、お祈りいたします。

一期一会

一年の最後のこの月には、自然と今年を振り返りたくなります。そんな時、「一期一会」という大好きな言葉が心に浮かびます。 一人ひとりの命がかけがえのないものであること。誰もがその人らしいタラントを持っていること。様々な人や物事との出会いには必ず何かの意味があること。そんなことをとめどなく考えます。 私たちYMCA Global Kindergartenは、これまで多くの保護者の皆様の温かな思いに支えられ、たくさんの個性的で才能あふれる子ども達と出会い、多様性に富む教員や職員が集い、一歩一歩、進んできました。 園としてこれまで歩んできた道のりは、いつも順風満帆であったわけではありません。時に道に迷い、時にぬかるみに足をとられ、疲れ果てて、もう歩けないのではないかと思ったことも、一度や二度ではありません。それでも本当に不思議なことに、最後の最後には必ずどこかから希望の光や救いの御手が与えられてきました。そんな時、大きな存在に生かされていることを実感し、感謝の気持ちを深くします。 YGKは小規模な園ですので、子ども達は、そして保護者の皆様も、3年ないし4年の日々を同じメンバーで濃密に過ごすことになります。遊んで、喧嘩して、仲直りして、怒って、笑って、泣いて、悩んで、喜んで、励ましたり、励まされたり。感情や思い出を共有できる仲間がいることは、何て素晴らしく恵まれたことなのだろうと思います。 時折、卒園児がひょこっと顔を見せてくれたり、保護者の方から近況報告メールをいただいたりします。そんな時には、心の底から温かい気持ちになります。つい先日も、高校生になった卒園生が遊びに来てくれました。同じクラスだった仲間が集まったこと、それぞれの場所で皆が頑張っていることを楽しそうに話してくれました。卒園しても、大切な仲間として繋がりが続いていることが嬉しく、広い世界へと力強く羽ばたいていく姿を頼もしく、眩しく見ています。 来る年も、皆が安全と健康を守られ、絆を強めることができますようにお祈りします。

ある日のこぼれ話

 
YMCA Global Kindergartenの一日において、チョイスタイムは、特に大切な時間です。
様々な素材と自由に向き合い、心の赴くままに自身の興味や関心を深め、広げます。
ある日のチョイスタイムのことです。二人の子どもたちが何かに気づいたようです。
一本のトイレットペーパーの芯の上に立ってみました。当然、芯は重さを支えきれず、つぶれてしまいます。
それではと、6,7本を束ねて、その上にそっと体重を乗せてみると、、、今度は潰れずに上に立つことが出来ました!ここで終らないのが、子どもたちの素晴らしい力です。
 
どうしてかな。
集まると強くなるんだよ。(運動会で取り組んだ組体操で)一人の背中にもう一人が乗ると痛いけど、下になるのが二人になると簡単だったよ。それと同じだ!
サイエンスショーで見たことがある!卵でもできるよ。
 
大人が枠を決めるのではなく、子どもたちの自由な探究心の羽ばたきを尊重する。そのことで、子どもたちは大人の想定を軽々と凌駕していきます。
日々の生活の中で、私たち大人こそ子どもたちから多くのことを学ばせてもらっていることを改めて感じます。このことを思い、感謝の念を深くします。お互いに認め合い、響き合い、豊かなハーモニーを奏でることの出来る場で常にありたいと思いを深くしています。
 
YGK公式FacebookInstagramでも日々の活動をご紹介しています

 

平和を祈って

木々の葉の色づきに、空の青さに、公園のどんぐりに、秋の深まりを感じます。 そして、日々の子どもたちの様子にも、春から夏を越して秋へと成長してきた時の流れを感じます。 幼児期は、安心できる環境の中で、周りの人への信頼感を育て、興味の赴くままに思う存分に遊びこむ経験を重ねて、揺るぎない自己肯定感、自己尊重感を構築していくことが出来る大切な時だと考えています。 今、世界の様々な場所で、個人の尊厳を揺るがすような悲しい戦争が起きています。そこでは、ただそこに命を受けたという理由で命を奪われる人達がいます。国やグループを率いる指導者たちにはお互いに譲れない信念や言い分があり、いずれか一方だけが悪いと断罪をするのは困難です。また、家族や友人等の大切な人々の命を奪われた人々が、相手に対して報復をしたいと思ってしまうのは、悲しい事ですが無理もない事なのかもしれません。 YGKでの毎日の生活の中にも、小さな気持ちの行き違いやほんの少しの譲り合いの欠如から、喧嘩や言い合いが始まることがあります。そんな時に私たちが大切にしていているのは、「はい、仲直り!」とすることではありません。一人一人の心に寄り添い、その言葉にしっかりと耳を傾けることです。驕らず、弛まず、真摯に向き合うことで、両者の間の緊張感が、少しずつ緩まり解けていきます。 YGKに集う子どもたちの多くにとって、英語は母語ではなく、また、私たちの教員の多くは日本語を母語とするものではありません。このような環境の中で、子どもたちと教員が互いを信頼する関係を築くのには、同じ母語を持つ同士よりも多く時間がかかり、越えるべき壁が少し高く見えます。このことが時に強いフラストレーションになります。だからこそ、互いに向き合い、耳を傾け、気持ちを慮り、心が通じ合った時には、喜びは何倍にも強く感じられます。そんな子どもたちや教員の姿を見ていると、これこそが平和なのだと思います。 今、そこはかとない不安感が私たちの周囲を取り巻いているように感じます。でも、小さくてもここに確実に平和があることを喜び、子どもたちが大きくなった時に、今よりも良い世界であることを信じ、一歩ずつ前へ進みたいと思います。

かけがえのないもの

 

YMCA Global Kindergartenの財産は、紛れもなく現場の教員、そしていつも支えて下さる保護者の皆様であることを日々思います。園の主役は、いついかなる時も一人ひとりの子どもたちです。子どもたち一人ひとりが、より一層輝けるように、教員たちは日々コミュニケーションを丁寧に積み重ね、試行錯誤しながら、弛むことなく、より良い学びの場の提供を目指しています。一日の保育が終わり、その日の気づきや振り返りをしている時の、教員たちの真剣かつ愛情に満ちた温かな眼差しが、私は大好きです。

そして、私たち教職員を信じ支えてくださっているのが、保護者やご家族の皆様です。人と人が出会うときには、良いことばかりではありません。時として、どうしたら良いのか途方に暮れるようなこともたくさんあります。また、辛い、苦しい経験に押しつぶされそうになることもたくさんあります。でも、改めて振り返ると、そういったつらいことも含めて、一つ一つの出来事や出会いが、全て今に繋がっており、大切な意味があることに思いいたります。

時を重ねるにつれ、これまでに出会った教員や保護者の皆様おひとりおひとりがくださった、たくさんの愛情や出会い、気づきが、まるで地層のように美しく折り重なっていることを、より一層、強く感じます。

人も場も社会も、支え合い、補い合い、信じ合い、互いに研ぎ澄まされて育っていくものであり、深い愛情こそが真に人生を豊かにするものだと教えていただきました。

こうして今日も、子どもたちとたくさんの気づきや出会いを分かち合うことが出来ることに、心から感謝します。

誰もが愛され、尊重される世界のために、小さな存在の私たちにも出来る何かを果たすことが出来ますように。

 

 

お泊り保育に行ってきました!

お泊り保育でのこぼれ話。
 
坂を転げ降りて…
 
Aさん「あー、泥だらけ!ママに怒られちゃう。」
先生「それが遊ぶってことだよ。泥んこは思いっきり楽しんだ印だね」
Bさん「見て!私のシャツも汚れちゃった!思い切り楽しむのが一番!」
 
 
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今年、実に3年ぶりに年長クラスのお泊り保育を実施することが出来ました。
富士山の麓・朝霧高原に位置する横浜YMCA保有のキャンプ場である富士山YMCAに一泊二日を過ごしてきました。
 
折しも台風接近が伝えられる中の出発で天候が心配されましたが、みんなの普段の行いが良かったからか雲が晴れて富士山がきれいに顔を出してくれました。
降っても照ってもなんのその!そとあそびはやっぱり最高!
木製のブランコや木の間に張られたハンモックに目を輝かせたり、大きなバッタやコオロギを追いかけたり、木登りしたり、勇気を振り絞って枝から飛び降りたり… 泥んこのクタクタになるまで遊び尽くしました。
皆で一緒に入ったお風呂も、皆で並べて敷いたお布団も、皆で配膳したご飯も、楽しかった!
クタクタになるまで遊んで、笑って、冒険して。
お布団に入るとあっという間にぐっすり寝入ったお友だち。わくわくし過ぎてなかなか寝付けなかったお友だち。
翌日は天窓からの光で朝早くに起きて、朝からゲラゲラドタバタわっはっは!
 
お友だちとの絆がまた少し深く、そして自己肯定感もまた少し強くなったようです。
 
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久しぶりの再会

 
先日、とても嬉しいことがありました。
卒園して数年たつ卒園児さんたちと保護者の皆様が園を訪ねてきてくださったのです。
遠くに旅立つお友だちのお見送りに久しぶりに集まったとのことで、園にも足を伸ばしてくださいました。久しぶりに会う皆はニコニコ笑顔は昔のまま、でも背丈がぐっと伸びていて、すっかりお兄さんお姉さんになっていました。
こうして園での出会いが続いていて、折々に成長した姿を見せてもらえることが心からありがたいことだなあと思います。
これからどんどん広い世界へと羽ばたいていく皆の行く手に、いつも豊かな愛情がありますように。
いってらっしゃい、そしていつでも帰っておいで!

YGKらしさ

YGKらしさってなんだろう。子どもたちやご家族の皆様がどんな時間を過ごし、どんな経験をできる所でありたいんだろう。そんなことを、この所、考え続けています。

 

日々の子どもたちの姿をできる限りありのままに見つめ、教職員間で向き合い、様々な方の声を聞かせていただき、私たちの保育、教育を改めてまっさらな心で見つめ直しました。

 

一人ひとりが、深く温かく溢れんばかりの愛情の中で育つことが出来る場所。一人ひとりがそれぞれのタラント(神様から与えられた賜物、才能)を大切に育むことが出来る場所。何時でも帰って来られる第二の家庭のような場所。

そんな場所でありたいということに改めて思いを深くしています。

ご両親、ご家族の深い愛情の中に生を受けた、かけがえのない子どもたち。たくさん

の分岐点を越えて、ここで私たちが出会えた確率を考えると、この出会いがどれほどに貴重なものなのかに気が付きます。

ある人から聞いたこんな言葉が心に残っています。

「人と人との出会いや関係の中でこそ、私たちは研ぎ澄まされ、人として成長していく」

 

多様性、受け入れあう、認め合う、、、

 

 

どれもとても素敵な言葉であり、大切な概念です。これらを真に成すことは言葉や概念として表すほどには容易ではありません。

考えや思いを表明し合い、互いに真摯に心と耳を傾け、時に意見の相違に葛藤したり迷ったり、悩みもがくうちに急に新たな道が眼前に開けたり。分かったと思ったら、また見失ったり。

 

困難に直面したときに、もがき続け、考え続け、挑み続け、必要な時には勇気を持って助けを求めることが出来る、そんな力が子どもたち自身の中に育つように、必要なときに必要なだけの手助けをするこそが、私たちが出来る、そしてすべきことなのだと信じています。

 

一人ひとりが、愛され、尊重される豊かな経験を通して、それぞれが自分を愛し、信じ、そして、自分を愛するように隣人を愛することが出来るような、温かく、愛情溢れるコミュニティでありたいと願います。

 

今日も皆様にとって素晴らしい日でありますように。

いろんな気持ち

 
「〇さんが隣に座ってくれなかった」「△さんが〇さんに怒ってたから助けようと思った」「もうみんなと遊びたくない」
 
こんなやり取りが増えている最近の年中クラス。
 
様々な葛藤に揉まれ、壁に行く手を阻まれたようで、感情が迷子になっているような子どもたち。
 
思い通りにならないとき、気持ちが通じないとき、何だかよく分からないけど、胸の中がザワザワモヤモヤする感じ。
 
そんなとき、そのモヤモヤザワザワした何かから子どもたちの意識を無理に逸らしてやり過ごすのではなく、子どもたちが自分の感情に向き合うことを大切にしたいと思っています。
 
どうしたの?
 
….そっか、隣に座りたかったのにお友だちがダメと言ったんだね。ここがザワザワするのかな。悲しかったんだね。少し腹もたったんだね。
 
公園に出かける時間だけどどうする?
 
….そうか、今日はみんなとは行きたくないんだね。じゃあ、他のクラスのお友だちと一緒に行く?今日はどうしても行きたくないのか。そんな日もあるね。気持ち、よく分かったよ。話してくれてありがとう。
 
この日は△さんは公園に行かないことを自分の意思で決めました。私たちは、この日は△さんの気持ちを全面的に尊重することに決めました。
 
みんなが公園に行ってしまうと、やっぱりみんなが何をしてるのか、いつ帰って来るのかが気になります。窓から公園を覗いて、「あそこにいるよ!帽子が見える」、「もう時計の針があそこだから、Five more minutesだと思う」
 
家族で行った旅行の思い出、好きなテレビ番組の話をしばらくお話ししてくれていた△さん。
 
ふと気付くと、静かに机に向かって、何やら真剣に作業をしている様子。
 
しばらくすると、大きな明るい声とまあるい笑顔。
 
「〇さんに手紙書いた!ごめんねって」
 
「〇さんとケンカしたの?」
 
「ううん、(自分が)怒っちゃったの。だから、大好き、ごめんねって書いた。〇さんの棚に入れておくんだ。開けたら見えるように」
 
感情の波にもみくちゃにされそうになりながらも、自分の気持ちに向き合って、自分がどうしたいかを時間をかけて考えて、自分で答えを見つけて行動にうつした△さん。
 
この先も、気持ちの揺れに向き合い、壁に阻まれて葛藤を感じたりすることがたくさんあることでしょう。
 
そんな時、自分の感情に無理にふたをしてやり過ごすのではなく、自分の心に、感情に、真摯に向き合い、時に周りの人に助けを求めたりしながら、自分でバランスをとっていけるようになってほしいと願っています。
 
幼児期は、人としての根っこを育てる大切な時期です。だから、時に生まれてくる負の感情も含めて、一人のかけがえのない存在として、たっぷりと愛される経験をしてほしい。そして、自分自身を心から愛して大切にしてほしい。自分を愛することができるから、周りの人も大切にできると思うから。
 
子どもたちの育ちを愛おしみながら、ご家族の皆様と大切に見守っていきたいと思います。
 
 
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